[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
津波のようにそれは形を変えて何度も何度もアタシを襲う。新しい波が視界に映るたびに鼓動は高鳴って到達までの身を包む静寂は限りなくもどかしい。飲み込まれればきっと世界の果てまで流されて、そうして涙だけがどうしようもなく止まらないんだ。あなたを愛していると、それだけが私を支配してしまえたら良かったのに。( だって終わりが見えてしまう。いつだって。 )
眼を閉じて双眸に浮かぶ彼女の影など無意味なものはないが脳裏に強く焼きついて離れない光景がひとつだけある。さして色鮮やかなフィルムのようではなくどちらかと言えば色褪せた、というよりはもともとそこには色など存在しなかったかのようなモノクロの景色だ。そうしてその無機質な景色の向こう側で、彼女は歌っていた。静かに祈るように両手を組みながら、彼女は歌っていたのだ。とても美しい異国の言葉で。ただそれは酷く優しかったのに、まるで悲鳴のようにその景色を満たしていた。そうして祈りの言葉を紡ぎながら、本当はこの世界を何よりも厭うかのように彼女はまっすぐ先だけを見つめていたのだ。(それはきっと彼女の最大限の神への抗議だったのだ)
何かを忘れずに私たちは生きてはゆけないんですよ。例えそれがどんなに大切なものであろうと。失わずには生きてゆけない。それが無かったとしたら今の私は存在すらしなかったかもしれないのに。滑稽ですね。寂しいですか。そうですね。でもそれは寂しいんじゃないですよ。ゆるゆると消えていく痛みを知覚すらさせない、残酷と言うんです。そういうものは。酷く残酷で、私を私から奪ってゆく。だから私、許しません。そこに許しなど必要かどうかなんて関係ないですよ。そもそもそれはこの世の道理ですから私のようなちっぽけな人間の意志など全く何の意味ももたないのでしょうけど。それでも私決めたんです。決してそれを気安く受け止めたりなんかしない、と。
この世界は無彩色に彩られた砂浜を吹いていく風のようなものだから。ただ淡々と何の意志ももたずに芯から冷やしていく。冷え切ってしまったこの掌でも、君の頬に触れられるだろうか。今にも崩れそうなこの身体でも、君の隣にいられるだろうか。(いてもいいよね?)