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Time to say good-bye
2025/07/26[Sat]
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2006/10/07[Sat]

眼を閉じて双眸に浮かぶ彼女の影など無意味なものはないが脳裏に強く焼きついて離れない光景がひとつだけある。さして色鮮やかなフィルムのようではなくどちらかと言えば色褪せた、というよりはもともとそこには色など存在しなかったかのようなモノクロの景色だ。そうしてその無機質な景色の向こう側で、彼女は歌っていた。静かに祈るように両手を組みながら、彼女は歌っていたのだ。とても美しい異国の言葉で。ただそれは酷く優しかったのに、まるで悲鳴のようにその景色を満たしていた。そうして祈りの言葉を紡ぎながら、本当はこの世界を何よりも厭うかのように彼女はまっすぐ先だけを見つめていたのだ。(それはきっと彼女の最大限の神への抗議だったのだ)

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